NAMI(全国医療通訳者協会)について


全国医療通訳者協会は、医療通訳者が医療通訳者のために設立した職能団体です。医療通訳の普及と発展を通して、医療保健場面で通訳を必要とする人々の健康と福利に貢献していくことを目的としています。

当協会では、医療通訳を専門職として確立させ、さらに社会的地位向上のために努力をしていきます。具体的には、医療通訳者の質や技能の向上、医療通訳者の労働環境整備や医療通訳にかかわる問題への働きかけ、医療通訳資格認証・研修制度整備への働きかけなどを行います。

 

当協会の会員対象者は医療通訳を行っている方(在住・訪日外国人対象問わず)と医療通訳に関心のある方です。

 

 

               組織体制

 

 代表理事  森田直美    会議通訳・英語医療通訳(MICかながわ)  

                             Critical Link International理事   

 

 理事        山田紀子   ロシア語通訳・通訳コーディネーター

       原美雪    インドネシア語通訳

       北間砂織   英語医療通訳(SEMIさっぽろ)

                            会議通訳・大学講師

       原尚子    看護師・医療系専門学校講師

       吉田由梨子  スペイン語通訳

                   

                        

 事務局   矢島行子     英語医療通訳(MICかながわ)

               医療通訳コーディネーター

 

 


全国医療通訳者協会

趣意書

 

 日本において医療通訳は、従来、在住外国人に対して行われてきた。

しかし、近年医療通訳の対象者がビジネスや観光での来日に加え、健診や医療受診を目的として来日する人々にも広がった。さらに 2020 年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定され、訪日外国人はますます増加していく傾向にある。医療受診時における医療者とのコミュニケーションは重要であり、在住・訪日外国人・日本人の対象を問わず、日本語ができない人々にとって、医療通訳者の果たす役割は大きい。

 しかしながら、医療現場において、日本語ができる人々と同水準の医療が、日本語ができないすべての人々に提供されているとは、まだ言い難い。

 さらに、医療通訳に関する状況はめまぐるしく変化しており、医療通訳者が抱える問題も多様化してきている。

さらに、医療通訳者がおかれている現状は厳しい。例えば、医療通訳者の多くは 今でもボランティアであり、通訳実践の適正な報酬を得られていない場合が多い。また、雇用されている通訳者であっても、不安定な身分であることも多く、長時間労働や業務範囲拡大など労働環境の整備は十分でない。訪日外国人に対する医療通訳者も増加しているが、なかには医療通訳専門の研修を受けていないため、専門用語や知識、倫理規程についての 習得ができず、通訳実践で困難を抱える通訳者もいる。さらに、同じ通訳行為を行っていても、在住外国人対象と訪日外国人対象とでは報酬や待遇、研修制度に差があり、医療通訳が在住と訪日で二分されかねない状況にある。

 医療通訳者が専門職として確立されるためには、資格認定制度の確立、それにかかわる研修制度の確立が必要になる。厚生労働省による医療通訳育成カリキュラムが作成され、研修や資格に関する議論は活発になってきていることは評価できる。しかし、少数言語通訳者や地方で活動する通訳者の課題は残されており、さらなる議論が必要で ある。

 医療の場で、患者や家族(以下患者等)は生死を分かち、病や障害を負い人生の岐路に立たされることがある。日本の医療者は、近代的先進的な医療知識技術と、多様な医療専門職の共同作業によって高度な医療サービスを提供している。他方、患者等は、自文化の医療や身体、生命に関する慣習や思い入れがあり、それらを医療者に理解尊重してもらい

ながら医療を受けることを望んでいる。しかし、 言葉の壁に遮られて、自らの意志が伝えられない場合がある 。 医療通訳者は両者のそのような特徴を把握しつつ、医療の場において、 両者が言語の壁を超 えてお互いに理解しあえるように支援していく。 こうした役割を

担うことは、通訳者が倫理的事柄に巻き込まれてしまう危険性も伴う。しかも、多くの場合、通訳者は 1 人で実践の場に赴いており、通訳現場の問題や課題を解決する手段を持たないことが多い。

 患者等が必要な情報を得て、自己決定が行えるように医療者とコミュニケーションを行っていくことは、医療を受ける者だれでもが保障されるべき人権の一つである。医療者においても、患者等に適切なインフォームドコンセントを行い、有効な治療を行うためには、患者等とのコミュニケーションを取り持つ医療通訳者の関わりが必要不可欠になる。

 医療通訳者は、患者等と医療者をコミュニケーションの側面から支援することで、患者等の人権を守る重要な任務を担う。それには、医療通訳者自身が専門職として独立し、広く社会に認識されることで、患者等と医 療者双方にとって有益な業務が行えるようにしていかなければならない。

 このような現状とそれに関する課題を解決していくためには、医療通訳者たちが自ら声をあげ医療通訳の現場の問題点を伝え、 また 医療通訳者たちがつながっていく必要がある。

そこで、医療通訳 者を中心とした、医療通訳者による医療通訳者のための組織 を設立することにした 。 新しい医療通訳者の職能団体は、 全国医療通訳者協会(National Association for Medical Interpreters)である。この団体は、医療通訳の専門職の確立や社会医療通訳の専門職の確立や社会的地位向上に努めていくとともに、医療通訳の普及と発展を通して、医療保健場面で通訳を必要とする人々の健康と福利に貢献していくことを目的とする。具体的には、医療通訳者の質や技能の向上、医療通訳者の労働環境整備や医療通訳にかかわる問題への働きかけ、医療通訳資格認証・研修制度整備への働きかけ等を行う。本職能団体の本職能団体の対象者は全て対象者は全ての医療通訳を行っている者(在住・訪日外国人対象問わず)、医療通訳に関心のある者での医療通訳を行っている者(在住・訪日外国人対象問わず)、医療通訳に関心のある者である。全国医療通訳者協会では、医療通訳に関わる諸問題をともに解決していく仲間を広く求める。

                            以上

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上記の趣意書のダウンロードはこちらから
趣意書・全国医療通訳者協会.pdf
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定款のダウンロードはこちらから
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